工務店としては内緒にしたい、リノベーション、リフォームで費用を下げる方法
新築の場合は何もない土地に家を建てるので、前面道路の幅、駐車スペースなどで、工事のしやすさが決まってくるので、複雑な形状をしていなければ、面積当たりの単価で値段が決まってくる
元請けの工務店と大工など職人や協力業者の間で面積当たりの予算決めをしているので、新築の場合、現場の状況によりあまりコストは変わることがない。
ところがリフォームに関しては、変わる要素が多々あります。
これを知っているか否かでは、10万円単位で、場合によっては100万円以上も変わってきます。
リノベ―ション、リフォームをするなら知識として持っておくと助かります。
目次
1.他者との比較。工事の内容は正確か?
リフォーム工事でも新築と同様に坪○○円、㎡○○円と
出しているところもあります
リフォームは新築と違い
既存住宅の損傷や劣化などが
1軒1軒、1箇ごとに違います
積算見積りは一つ一つ丁寧に行うと
経験不足だと非常に時間がかかります
私も時々職人に相談します
現場経験がないとほとんど相談しなければ正確なものができません
そのため更に時間を要します
だから大雑把な、坪○○円となる
これでもおおよその金額は積算出来ますが、正確さには欠けると思います。
リノベーションとは言い換えれは、部分的な小さいリフォームをたくさんやる工事です。
材料、手間、廃材処分、消耗部材、経費
1坪○○円で見積もりしたリフォームを、丁寧に時間をかけて積算すると、実際はもっと安くなる現場も多々あります。
だから、すべてでないが、1坪○○円、1㎡○○円と簡単に見積もりがでてくる会社は高めに金額が出ている可能性があります。
2.リフォーム業界ではいまだにある丸投げ?
リフォーム業界は、営業だけを自社で行い、あとはすべて協力業者に任せるという会社が多々あります。
この形態の業者のリフォーム工事は見た目重視、中身はおろそかになっている傾向が強い。
弊社も以前は下請けで協力会社をやっていいた経験から、元請けさんのほとんどは利益の残すために”安く安く”と言っって来て、見えない部分に手間をかけないケースが多い。
リフォーム工事のお客様の要望が、どのように現場に伝わり完成されるのかというと
営業担当→設計担当→現場監督→現場職長→職人
このような図式です。
丸投げの会社は営業担当のみ自社で後は協力業者になります。
100%自社の社員ですべてを完成さす会社はまずないのですが、リフォームやリノベーションで重要なのは、設計及び現場監督です
設計図がいいと出来上がりも良くなります。
但し、現場監督が優秀でないといいものが出来上がりません。
第三者機関に施工に問題ないかの検査があり、何もないとこに一から造るので数回の現場内合わせと設計図があれば予定通り進みます。リフォームは検査がなく、改造なので、既存の状況が予期せぬ状況であることが多々あるので設計図面や計画通りにいかないことが多々ある。
したがって、現場任せにするのではなく、お客様の思いや希望通り進むように、担当者は現場進行中にほぼ毎日確認しに行く必要があると私は思う。
ところが、現場職人に任せっきりということが多々あります。
目に見える箇所の仕上がりは、最終的にお客様が確認するのでご要望通り仕上がっている
しかし、あと〇年住むために骨組みもしっかり補修
耐震強度もしっかり
ヒートショックが起こらないように断熱工事もぬかりがない
後々トラブルが起こったときの対応のしやすさなど
解体時、骨組み完成時、配管、配線仕込完成時、壁天井床下地材を張る前の断熱材の状況
など、仕上がったら変更できない部分は見に行くべきだと私は思っております。
100%完璧な現場監督や職人なんていない。
私も見落としを指摘されることがあります。
だから、営業、設計、監督、職長、職人に任せっきりにするのではなく、協力してお客様の要望、思い、考え方、希望を叶えられるために努力すべきだと思う。
営業が現場に全くいかないのであれば、お客様のとの打合せには設計や監督も一緒に行うべきであると私は思います。
このような理由から、設計や監督をすべて丸投げの会社は見た目と見積金額は同じでも、中身が違い、快適性と耐久性、省エネ性など住宅の性能が違ってくる場合が多々あります。
営業のみを行う会社を選ぶのではなく、設計や監督を自社で行っている会社と契約を行った方が、同じ金額でもいいものができあがるし、余分な営業マンの人件費を払う必要もなくなりますのでコストダウンといいものが出来上がる大きな要素です
3.知識豊富な業者は低コストできっちりした工事ができる
材料の安い仕入れルートの開発、安くいいものができる工法の学習、良い職人の確保、無駄なコストがかからないようにするための日々の段取りの工夫
これらは低コストでいいリフォームを行う上で絶対不可欠なことです。
工事中毎日のように現場に行って問題はないか、間違いはないか、予期しなかったことはないかなどをよく見ていると、同時に行うとコストが非常に安くなる工事もわかってきます。
反対に、”丸投げにしている業者”にありがちな、営業だけやってあとは現場任せで現場を毎日のように見に行かない業者や担当者は問題点に気づかないし、知識も増えない
そのため、見積もりを適切な金額を把握ができず、概算金額で会社が決めた一律㎡単価○○円という金額しかわからない
だから、本当は安く工事できるお住まいでも同じ金額になってしまいます
現場の良し悪しを判断できない人が営業担当の場合は、あらかじめ多めに値引き分を見積もりに入れ、この部分を引くという方法を使っていることもあるようです。
本来、値引きをしなければお客さまの予算に収まらない場合、良い工事で尚且つ予算をしようと思えば、さらに工事の効率化を考えたり、在庫分を利用したり、難しければ、材料のグレードを下げる、ある部分の工事はあきらめるよう提案する
というのが正しいやり方です
そうしなければ、どこかで手を抜かなければならなくなってしまう
また、安くても請け負ってくれる職人にやってもらうことになる
無理をして値引くことが日常化した会社の結末は、10年後に故障などで電話してみるとのいつの間にか会社がなくなってしまっている。経営を圧迫して潰れてしまった。ということもこの業界では残念ながら珍しい話ではありません。
しかし、売上のために適切ではない値引き方法がなくならないのが実状です
プロの建築屋さんならどうしても予算が合わない場合は、いいリフォームを継続して行うためには、場合によってはお断りする勇気も私は必要かと思います
4.現場調査は綿密、丁寧、慎重な業者程、無駄なコストを要求しない
大規模リフォームで現場調査で行うべきこと
- 間取確認と採寸
- 既存の施工方法、使用材料の確認
- 床の水平、柱の垂直状況の確認
- 床下、屋根裏、内側壁などの損傷状況
- 基礎の状況
- 設備の損傷状況(水回り機器、窓サッシ、室内ドアなど)
- 外壁、屋根瓦 雨樋の状況 ベランダの防水状況
- 雨漏れ、水漏れの有無
- 給排水の位置
- コンセントの位置や数量
- 耐震診断
- 断熱の状況 などなど
屋根に上がる、床下にもぐる、屋根裏に入る
壁の中をのぞく
叩いてみる
動かしてみる
これらをきっちり行うと、リフォーム範囲やお住まいの大きさにもよりますが、1日~3日はかかります。
これらの現場調査を飛ばして見積もりをすることも可能ですが、見積もりがおおざっぱなものになり、少し高めになってしまうことや、不良個所などの見落しで、見積もりが安くなりすぎることがあります
きっちり調査を行うと、施工方法と使用材料、工事にかかる日数なども大体は想像がついてきますので、より正確なものが出てきます。
詳しい調査をせず、寸法だけ取って見積もりの数をどんどんこなして作っている業者もたくさんいます。
概算見積りはこれでも大丈夫だと思います。
しかし、調査が雑だと本見積と比較して100万円単位でずれてくることもあります。
詳細調査を行うと効率が悪く時間がかかるので、お客様にとっては早く見積もりが欲しい場合もあります。もっと早くが弊社の課題だと思っております。
しかし、雑な現場調査をする会社よりも綿密な現場調査を行う会社の方がより適切な見積書をつくると思います。
見落としで安くし過ぎて手抜きされるより、時間はかかるがきっちり適切な金額を出してもらう方が、長期的に住むお住いにとっては後々のトラブルなどを考えるとかえって安くなる場合もあります。
5.ぼったくりバー顔負けの建築業界の定価設定の仕組みがある訳は・・・
自動車はエンジン、バッテリー、タイヤなど、自社基準で外注先に造ってもらい、メーカーが監督して各部品を検品・テストし、組み上げてきっちりしたものに仕上げてきます。
建築業界も同様で、大手建築会社のゼネコンでも自社の社員ですべて建築物を建築するということはありません。
- 設計は○○設計事務所がする
- 基礎は△△会社が施工する
- 骨組みは◎◎会社が施工する
- 窓サッシは、、、
という形で外注し、自社はお客様である役所や企業と打ち合わせし、工事の監督監修を行い、建築物が出来上がります。
一般の新築住宅はどうなのか?
- 販売会社
- 施工会社
- 設計会社
が異なることが多いです。
販売会社がどういう家を作ってほしいと設計依頼し、設計図に基づいて施工会社が監督監修をし、新築が出来上がることが圧倒的に多いです。
では住宅のリフォームはどうなのか?
これは多岐にわたります。
・広告でよく宣伝しているリフォーム会社や、ヤマダ電器等の家電量販店での場合
・設計施工会社が直接お客様と契約しリフォームを行う場合
・工事業者や職人が直接お客様と契約しリフォームを行う場合
など、リフォームは設計図面が必要でない場合も多々あるので、このように多岐にわたります。
建築材料は
メーカー→商社(問屋)→工事会社→施工会社→販売会社→お客様
という風にメーカーから何社も経てお客さの元へ届くので、その都度利益が上乗せされている場合もあります。
したがって、定価設定がかなり高くなければ、各業者が利益を乗ていくと、定価より高くなってしまうことになります。
近頃は施工会社、販売会社が直接商社から材料を仕入れることが多くなりました。
しかし定価は以前のまま高く設定されています。
その分直接商社から仕入れる業者は値引きは大きくなり給湯器などは70%引きというのもあります
その中でも、タカラスタンダードさんのように、昔から最終販売業者に卸す形態をとっていた会社の値引きがほとんどないメーカーもあります。
したがって、消費者様は、値引き率だけを見るのではなく、実売価格の比較と性能の比較をしたほうが適切な値段で良い物を選択できるということです。
6.こだわりが無ければ、掘り出し物の材料を使ってもらおう
①メーカーの不良在庫の払い下げ
型遅れの商品、不良在庫品というものは製造メーカーでは必ず発生します。
稀に、それらを安く提供してくれる情報が来ることがあります。
②ショールームの展示品の払い下げ
住宅設備機器メーカーは、全国各地にショールームを持っております。
メーカーにより展示品を、展示品入れ替えやレイアウト変更時に、通常よりもかなり安く払い下げてくれるメーカーもあります。
弊社の場合はタカラスタンダードの展示品を時々販売いたします。通常値引きよりさらに約30%~40%安くなります。
私の自宅も中級グレードのキッチンを、普及品グレードぐらいの価格で設置しました。展示品はほとんど使用していないので、ほぼ新品同様です。
本当にお得でした。
③工事会社や商社の不良在庫の払い下げ
建築材料は、基本的にメーカーからの取り寄せ品がほとんどですので返品が出来ません。
しかし、人間の行うことなので下記のような事が起こる場合もあります。
- お客様が発注後変更を行った
- 現場にあわなかった
- 発注ミス
- 発注量を間違えて材料が余った
ということもあり、これが長期在庫になっていることがあります。
こだわりが無ければ、これらが現場サイズに合い、好みに合えばかなりお得になると思います。
④こだわりが無ければ普及品グレードを選択しよう!
設備機器で出荷量が一番多い普及品のグレードは、値引き率が大きいです。
中級品や上級品は選択肢が広くこだわりの材料を使っているので、普及品に比較して出荷量が非常に少ないため値引き率が悪いです。
こだわりがなければ、普及品クラスにすると値段がかなり下がります。
しかし注意点として、普及品は耐久性が低いものもあるので注意が必要です。
7.工事価格を下げるには、お客様と業者が力を合わせれば可能な場合もある
リフォームの価格は、材料代、工事手間代、ビス等の消耗品代、傷や汚れが付かないようにするための養生費用、日々の工事と完了時の掃除の手間、廃材や端材梱包材等の産業廃棄物処分費
などがあります
この中でお客様のご協力でリフォーム工事価格が変わってくるものは、
①作業手間
②養生費用
③産業廃棄物処分費
です
①の作業手間は現場により大きく変わる場合があります。どういう要素で変わるかというと、
- 車から作業場まで材料や廃棄物、道具を運ぶ距離
- 材料を加工する、取付をする作業場所の広さ
- 家具等の荷物の有無
作業場と車との距離が遠いと、材料や道具、消耗品、産業廃棄物を運ぶ時間や労力が多くかかります。
場合により解体時や材料の搬入時には、運び専門の人を手配する場合もあります。
また、職人やトラックの駐車スペースがない場合は、近隣のコインパーキングなど止めるしかない場合もあります。この場合、工事経費として駐車場の費用が計上されます。
これらを心得ているお客様は、自分の車を別の場所に置いたり、近隣で駐車できる場所を確保していただけたり、作業車両を家の前に置けるようにしてくださる方もいらっしゃいました。
私たちが隣家に車を止めさせてもらう場所を有料で借りることは難しいですが、お客様なら知り合いなので借りることは可能な場合もあるかと思います。
特に大きなリフォームの場合は金額の差が出来てくる場合がありますので、工事車両の駐車スペースの確保のお話を業者と行ってみてください。
加工場所の確保
お部屋内に作業場所があるか無いかでは、作業手間が大きく変わります。
室内のリフォーム場所で材料の加工作業が出来ない場合は、屋外で加工を行います。
リフォーム作業は寸法を測り、材料を切って取り付ける、基本的にはこれの繰り返しです。
したがって、加工場とリフォーム場所の距離が近ければ、作業時間は蓄積で短くなり手間が少なくなります。
屋外にしか加工場が無い場合は、雨天時は作業場所の屋根を造ったり、作業を中止せざるを得ない場合もあります。
作業場所を確保するには、
- リフォームする部屋の家具など物を移動する場所を確保する
- 不要な家具があればリフォーム前に処分する
- 隣の部屋で加工可能な部屋を用意する
- ガレージなどの車庫を作業場所として活用する
など業者と話し合って事前に決めておくと、場合により価格面で優遇してくれる可能性もあります。
8.馬鹿にならない産業廃棄物処分費、ついでに捨ててもらったごみが業者に依頼でコスト高になっていた
リフォームで発生するごみは産業廃棄物になります。
したがって、ごみの量によりお金を払って処分業者にリサイクルできるものと出来ないもの、廃材の素材の仕分けを行って処分をしてもらいます。
リフォームの解体で出るごみはこのようにして有料で処分します。
ついでに不要な家具なども一緒に処分の依頼を受けることがあります。これも解体すれば産業廃棄物として処分はできますが有料となります。
市町村により粗大ごみも処分費がかかるときもありますが、それでも個人で処分する方が安い場合も多々あります。
家具や家財の処分は可能ならご自身で処分する方法や値段を確認することで、少しでもリフォーム費用がやすくなる場合があります。
9.まだ使えそうなので再利用をお願いした!再利用がかえって高くなる場合もあります
部分的なリフォームで特に多いのですが、子供部屋は壁だけ、寝室は床だけ、キッチンは天井だけ、ドアはそのまま、窓枠はそのまま
など、新築と異なるリフォームのメリットは、部分的に残して部分的にリフォームを行うということがあります。
しかし、かえって高くなる場合もあります。
- リフォームするところとリフォームしないところの境目の処理をしなければならない
- 全部解体でないのでゆっくり丁寧に解体しなければならない
- リフォームしない箇所は傷がつかないように養生をしなければならない
などの手間を積算すると、場合により全部リフォームした方が安い場合もあります。
部分的に小さい面積の場合は特にその傾向があります。
将来的に残す部分もリフォームする予定があるのであれば同時期にやる方が、トータル的に間違いなく安くできます。
また、予算の都合で部分的に行う場合でも、この部屋はここだけ、別の部屋はここだけというやり方でなく、今回はこの部屋は全部リフォームして、別の部屋リフォームしないという風に一部屋づつというやり方の方がトータル安くできる場合があります。
ただ、待ったなしの補修や、絶対にやりたいなどの事情もあるので、このあたりも業者とよく相談することが大切です。
10.補助金、減税を使い、ご家族が多いなら少し高くても省エネ機器を選ぶ
リフォーム費用とは少し離れますが、10数年前にはほぼなかったリフォームの補助金や減税が、最近は充実しています。
国として地球温暖化対策を行わなければならない
CO2の排出削減→省エネの促進→省エネ機器、断熱リフォームに補助金、減税
中古住宅を解体するのではなく、長期に使えるようにして国の資産を大切にする、耐震化、長寿命化
少子化対策で子育て世代に優遇されるように家事の軽減等のリフォームに補助金
などが合致すれば補助金や減税が受けられるので、使えるものは全部使いましょう。
また、ご家族が多い場合は省エネ機器を選ぶことにより、リフォーム金額とは関係ありませんが月々の水道光熱費が軽減されます。
月3,000円安くなれば年36,000円
10年間で36万円も安くなるので、トータルの出費は減ります。
補助金等の参考の記事がこちらにもあります。
リフォーム補助金が最大200万円!?実際どのくらいお得になる?6つの具体例
まとめ
なるべくコストを抑えてリフォームをしたいと考えている方が多いと思います。
安くする方法を考えるには、業者の労力がたくさんかかるので、業者選びが非常に重要になります。お客様の事を考え時間を使って工夫をしてくれる、寄り添ってくれ事によりコストは下がってきますので、慎重に業者選びを行ってください。